贖罪

「贖罪」  湊かなえ

 

ようやく読めました。

小学校4年生の頃仲良しだった5人で夏休み遊んでいた時の事件。

一人が何者かに殺され、4人は目撃者となりました。

のどかで空気がおいしいのが取り柄の田舎町。

そんな中で起きた凄惨な殺人事件。

4人はその犯人を見ていたはずなのに覚えている子は一人もおらず

殺された女の子の母親はその少女たちに

「時効までに犯人を見つけるか、それが嫌だったら私が納得のいくような内容で償え」といいます。

 

子供相手になんて理不尽な母親だ!って読んでいて憤慨したしこいつヤバいなとか思ったりしましたが、殺された母親にとってそれだけショックだったのだろうと思うし、いやそれにしても普通犯人を呪わないのかとも思うのですが…

 

4人と母親の視点で進む物語はそれぞれ少しずつ気づかなかった、普通なら気にも留めない内容から次第に形を作っていって最後には

そういう事か…と納得がいきました。

 

この人の小説はそういうバラバラなパズルを組み立てていくような内容が多いですね。

読み進めると感動…泣くって言うのではなく、何かが分かった時の感動を覚えます。

 

まあ殺人事件の真実がわかるからちょっと落ち込むけどね。

でも大好きです。

猫が足りない

「猫が足りない」 沢村凛

 

タイトルで選びました。なんと、猫が足りないとな?!

いったい何が…!と迷わず手に取る私。図書館はこういうフィーリングで借りて読めちゃうから素晴らしい。

 

内容はなんとミステリーだった!!

就職活動中の主人公の男の子と猫が好きで仕方ないけどとある理由で飼う事ができないちょっと変わった主婦のコンビ。

内容も小難しいのではなく6編からなる一話読み切りみたいな感じだったんで読みやすかったです。こういうの好きだなあ。

もちろん一冊まるまるミステリーも好きだけどたまにはこういうのもね。

 

ただ、このお話の主婦は最後まで好きになれませんでした…。

考えに共感できなかった…。なぜだ…。

 

 

和菓子のアン

「和菓子のアン」  坂木 司

 

これはもうタイトルで選びました。赤毛のアンのパクリ?!みたいな。

内容はデパ地下にある和菓子屋に勤める主人公、杏子とちょっと変わった店長、

二人の店員を中心に、お客さんや同じくデパ地下の仲間たち(?)と繰り広げる

ほんわかミステリーって感じでした。

 

そう、ミステリーでした…!!

 

一応さまざまな事件を解決って言うか…

あれ?これってどういう事?って思っちゃう事を次々解決していく…から

やっぱミステリーだよね?

 

和菓子屋が舞台なので和菓子の知識も盛りだくさんです。

もう読んでると食べたくなります…w

和菓子の名前や由来にもちゃんと意味もあるし歴史がある。

お茶の席には和菓子。バカにできないです。

そして面白いし読みやすい。

 

すいすい読めてしまったのでこれはお勧めです!

高校入試

「高校入試」 湊かなえ

 

よく主人公目線で書く小説はありますけど、この場合は様々な登場人物の目線で

物語が進んでいました。

1章は〇〇目線、2章は〇〇目線とかではなく結構細かく。

だから状況がある意味わかりやすかったのと読みやすかったので読み進めるのが

早かったように思えます。ページ数結構あった気がしたんだけど。

で、書き手が変わるたびちょいちょい入ってくる掲示板の書き込みと思われる一言が。

「入試をぶっつぶす!」

脅迫とも取られる書き込み。

入試の準備から終了するまで教師があれこれ振り回され、

同時にどんどん書き込みが進んでいく掲示板…。

 

誰だこいつ、どうなってるんだこれは。

そう思いながら読んでしまいましたね。

一言で言えば面白かった!

 

重すぎる事なく、いろいろ考えさせられる内容ではありました。

 

ちなみに私は高校入試はあまり勉強せず受かった方です。

推薦とか超頭いいとかじゃありませんよ?

めっちゃレベル低いトコに何となく入っただけです。

むしろ入った後。いろんな資格を取るための勉強の方がきつかったなあ…。

今思えばもっと勉強して考えて高校はいりゃよかったな。

 

でも15歳でそこまで考えられる子ってそんなたくさんいるの?

 

あと18で人生の進路とか…精神年齢の低かったアホな私は

この本を読んでマジでタイムスリップして、当時の自分にこっそり話しかけたくなりました。

 

「進学、バカにするんじゃねえぞ?…」

崩れる脳を抱きしめて

「崩れる脳を抱きしめて」  知念実希人

 

医者…の話ですね。ミステリー。

とある研修医が配属された医院で脳に爆弾(脳腫瘍)を抱えた女性に出会う。

心にトラウマを抱えた研修医と脳に爆弾をもつ女性。

回診をきっかけにお互いの心の奥の傷に触れ、次第に研修医は女性に惹かれていく…

と行ったストーリーです。

病院が中心での話になるのですが、前半は女性に惹かれ、悩みやトラウマが消えていくのに対し後半はあっという間にどうなるんだろう…なんでなんだろう…と

読み進められます。

後半は何?って聞かれるとネタバレ必至になるので詳しくは書けないけど…

 

女性がホントは何を望んでいたのか?を探る展開。かな?

 

あと最後の方であの死神さんたちが出てきてくれて嬉しかったですね。

つうかあれですね。

たまたまかもしれませんが、作家さんが過去に登場させていたキャラが別の作品でも出てきたりするのがよくみられるのですけど。

ちょっと嬉しいですね^^

瞳の犬

「瞳の犬」 新堂冬樹

 

表紙を見たら黒いラブラドールがこちらをじっと見つめていたので思わず。

介護犬を育てようと四苦八苦する、人を心の底から信じられなくなってしまった主人公と、やはり人を信じようとするのをやめてしまった子犬、テレサのお話です。

 

介護犬と言うと盲導犬とかと同じように考えがちですが違うんだと言う事。

育てるのにとても苦労がいる事。

思ったより認知度が低い事。いろいろと勉強になったし何よりも。

 

犬が。どれだけ我々人間を愛してくれているのか。人間にどれだけ無垢の信頼を注いでいるのか。犬にとって人はどういう存在なのか。

 

犬の十戒は有名な話ですが、改めて犬と言うパートナーの奥深さを考えさせられたしそれに比べて人は本当に身勝手だとも思ったし、読んでて切なかった。

うっかりバスの中で涙を流すところでした。

犬ダメだよ…ほんとダメだよ…。

 

全力で愛を注げばそれに犬は必ず答える事。犬が吠えたりする時は必ず理由がある事。

みんな本当に考えていただければいいなと思います。

すべての犬がテレサみたいにすごく慈愛に満ちた子とは限らないけど。

人も犬も。すべての命を持った生き物たちも。

ちゃんと感情はあるんだよ。

 

って改めて再確認。

 

舟を編む

舟を編む   著者 三浦しをん

 

このタイトルに見覚えがある方もいるんじゃないかな…。

タイトルで見た感じ、なんだろう。人生の船とかそういう感じ?

ってとらえていたので、いざ手に取って読んでみて意表をつかれました。

 

辞書を作るお話。

 

辞書ってあれです。誰もが小学校や中学に入学すると手にするアレです。

誰もが当たり前の言葉をとりあえず引いてみちゃうアレ。

「右」とか「左」とか。「男」と「女」とか。

考えてみたら辞書って作る人いたんだよな…。ありえない量の単語をとにかくさまざまな言葉で表現して。

小説と違って様々な人が関わり、時間もものすごくかけてあの分厚い辞書を作る。

原稿も一人じゃなく。単語一つ一つもその人の主観を入れないよう気をつけて…

気が遠くなる作業!

 

そしてこの本は様々な人の目線で物語が進みます。

主人公から見た話と周りの人たちから見た辞書の編集の現場と。

ちょっと辞書ひきたくなりましたw

そういえば学校で購入した辞書以外に辞書見た事ないなあ。

出版社ごとに違うらしいです。

 

ちょっと興味出てきたので古本屋かどっかで見てみよう…w